早いもので今日から5月ですね。
学習塾では1年のうち新規の入塾が最も多いのが春。
10年ほど前までは、3月に大きく動きがあり、4月は多少動くって感じでしたが、ここ最近は4月のほうが動きが大きい。
まあおそらく大手進学塾なんかでは今でも3月が最も動く月なんだろうけど。
いずれにせよ、内部の人間にとっていわゆる『春の募集期』というのはGWまでという感覚で、5月から夏期講習の時期までは内部充実に意識を向ける時期となります。
昨日、新規入塾の手続きを1件行ったんだけど、そこでお母様からこんなお話がありました。
「マンツーマン指導だから先生に頼りきっちゃうようにならないか心配なんです」
個別指導塾の場合、面倒見よく指導できるのが利点ですが、逆に面倒を見すぎることで生徒の学力向上を阻害する場合がよくあります。
これは4/12の『教えないことこそ教育?』の中でも書きました。
そこで今日と明日の2回にわたり、個別指導塾はどうあるべきかという点について、私なりの意見を述べてみたいと思います。
まず今日は個別指導塾の現状について少しお話しします。
個別指導塾の中にはフランチャイズ形態の塾も多いのはご存知でしょうか。
われわれ業界内部の人間にとっては誰でも知っていることですが、一般の保護者様の中にはご存じない方も多いと思います。
フランチャイズというのは、簡単に言うと本部との契約で、看板やシステムの使用を認められ、その見返りとして本部に一定の対価を支払うシステムです。
未経験でも参入可能です。
だから脱サラで事業を始めようという方は、今までの仕事の経験が活かせない異業種参入の場合、大半はフランチャイズ加盟をされます。
正直言うと、私は学習塾のフランチャイズというのにはあまりよい印象を持っていません。
もちろんフランチャイズでやっている学習塾経営者さんの中にもすごく熱心な方はいらっしゃいます。「本部の看板やサポートなしで自分でやっても成功するんじゃないの?」って方も多いです。
でもね、そうじゃない方も残念ながらいらっしゃるんです。
脱サラするということが主目的で、数あるフランチャイズチェーンの中で、飲食やコンビニなんかと比較して、『低コストで簡単に始められそうだったから』って感じで学習塾を始められる方もいるんです。
フランチャイズシステムというのは、システムやマニュアル通りに行うことで業務が進められるような業種であれば大いにアリだと思います。
でも学習塾はシステムや看板で生徒指導をするわけじゃありません。
大事なのは『人』です。
その『人』を育てるのもまた『人』です。
そして100人の生徒がいれば100通りの指導法があって当然です。
だからシステムよりも経験がものを言う業種だと思っています。
北は北海道、南は沖縄まで教室があっても、ひとつの教室内で行われる指導には何のメリットもありません。
塾としての規模ではなく、その教室内で行われる指導の中身が大事なのです。
ですから、塾を探す場合には規模の大小で選んではダメです。
きちんと自身の目で候補塾の中の様子を見、責任者と話して決めるべきなのです。
同じ『個別指導』と謳っていても、指導の質はかなり差があります。
そこを見極めないといけません。
学習塾を立ち上げ、経営し、生徒指導をするのには何の資格も免許も要りません。
これからの社会を担っていく存在である子どもたちを預かり、指導する中で多少なりとも影響を及ぼしていく仕事であるのに、です。
私はここが問題のひとつだと思っています。
学習塾の経営者やスタッフ・講師が問題を起こし、ニュースなどで取り上げられることもよくあります。
そこまで大きな問題にはならなくとも、アルバイト講師がトラブルを起こしたりすることはいろんな塾であることです。
仕事に対するモラルの低さ・責任感の欠如などがそういうことをさせるのでしょう。
学習塾を経営する免許、あってもいいんじゃないかなって思います。
実務経験を10年積まないと受験できず、ペーパーテストでモラルや経営手腕を問い、実技テストで教務力を問う、とかね。
今日はここまでにしときます。
続きは明日ってことで。
明日は個別指導塾の陥りやすい落とし穴を挙げながら、『個別指導塾とはかくあるべき』ってことについて書きたいと思います。
2014年05月01日
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください