保護者面談 その2

前回に続き、保護者面談について述べてみたいと思います。

今回は、塾側からの夏期講習の提案についてです。

前回の最後にも書きましたが、個別指導塾の場合、夏期講習は科目・時間など自由に選択できるオーダーメイドの場合が多いと思います。

そういう塾の場合、塾のほうから『夏期講習はこういう形で受講してください』といった提案があり、それをベースにご家庭でも相談し、申込をされる形であろうと思います。

その『塾側からの提案』について今回は書きます。



まず、私の過去の体験からお話しします。

以前勤務していた塾で「夏期講習についてお聞きしたいのですが」と電話がありました。

そこで日時の約束をし、教室に来てもらいお話しをしました。

その中でこんな話が出てきました。

「実は今、すぐそばのA塾(個別)に通わせているんですが、夏期講習の料金を聞いてびっくりしたもので返事を待ってもらって、他の塾はどうなんだろうかと思ってこちらに問い合わせさせていただいたんです」

A塾は巡回型指導の塾、当時の私の管理教室は1対2型指導。

普段の月謝はA塾のほうが2000円ほど安い。

でも夏期講習の説明を聞くために保護者面談に参加したら、そこで提示された講習費は20万円。

講習だけボッタ○リ価格って訳じゃないですよ。

それだけの時間数、授業を入れたいってことらしいです。

「それだけの料金ってことは毎日何時間も授業が詰め込まれるほどのコマ数じゃないですか?」と聞くと、「そうなんです。夏休み中ほとんどが授業です」と。

「ウチの子の出来もよくないし、受験学年の夏休みだし、やっぱり追いつこうと思ったらそれぐらいはかかるのかなとも思うのですが、さすがにすんなり払える額でもないので他の塾で一度話を聞いてみようと思ったんです…」とのこと。

このような経験、された方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。

私自身、教室の責任者として、この経験は実は何度もあります。

普段は一般的な月謝なのに、講習になるとすごくお金がかかる。

多少の出費は覚悟していたけれど、予想とかけ離れた金額だった。

そういう話は時々聞きます。

私自身の考えから申し上げますと、それだけの時間数受講する必要はない、と断言できます。

それだけの授業時間数はむしろ成績向上を阻害する要因にもなりかねないとすら感じます。

まあ塾側としたらなるべく時間数がほしいのは事実です。

特に成績不振の受験生などは『この夏で何とかしなければ』との思いにもなり、指導する上でどれくらいの時間数が必要かを考えると、それくらいになることもないわけではありません。

しかしこれは『指導するのに必要な時間数』であり、『成績を上げるのに必要な時間数』ではありません。

その提案は塾側の都合のみであって、生徒自身の学習量として適切かと言えば、間違いなくNOです。

私は夏休みのような長期休暇の成績向上のポイントは3つあると考えています。

『充実した指導』『生徒本人の高いモチベーション』『十分な自学自習の時間』の3つです。

例えば勉強が苦手で成績面でも苦労している生徒に、「追いつくためにこれだけ指導時間を取りたい」という理由で毎日朝から晩まで授業を入れたらどうなるでしょう。

1つ目の『充実した指導』は満たされるかもしれません。

2つ目の『生徒本人の高いモチベーション』はまず望めませんね。

3つ目の『十分な自学自習の時間』にいたっては、物理的に無理になります。

個別指導塾においては、授業が分かりやすいだけでは成果は上がりません。

その授業の効果をいかに自学自習に反映させるかこそが大事です。

授業で理解する→分かる喜びを感じることで自分でやってみようという気にさせる→自学自習に取り組ませ、そのサポートをする→それを通してできたという喜びを持たせる。

この流れこそが大事なのです。

だから私は受験生の夏期講習の提案時には必ず『自習時間』を設けた提案をします。

一日の塾での学習時間を、『授業→自習→授業→自習』という風にセッティングし、提案します。

自習時間は前の授業時間で習ったことを繰り返し学習できるように、授業を担当した講師が学習内容等の指示をします。

ですから自習といってもやるべきことは明確で、さっき習って理解できているところなので、自分で進めることができるわけです。

もちろん授業として取れるコマ数は減りますから、授業で扱う単元数や範囲は減らさざるを得ません。

優先順位を考え、「この生徒にはこの分野とこの分野の授業を復習させるべきだ」という検討を加えた上で提案をします。

でも授業を立て続けに入れるより、これのほうが効果的なんです。

『授業→自習→授業→自習』という予定を立てた場合、授業として生徒と接するのは2コマです。

でも実質は4コマの学習時間になり、その4コマ分の対応が必要になります。

自習は完全無料ですから、授業料としていただくのは2コマ分です。

教室の売り上げという観点から見ると、あまり得策ではありませんね(笑)

でも生徒は教室の売り上げを上げるための道具じゃありません。

生徒の成績を上げることで授業料をいただき、それで運営できているわけです。

はじめに売上ありきで、そのためにそれぞれの生徒にどれだけ受講してもらおうかと考えるのは、本末転倒も甚だしいと言えます。



プレストでは昨日から保護者面談を開始しています。

それぞれの保護者様に夏期講習の提案もさせていただいております。

「普段の受講科目である英語と数学はしっかりと進めることができていますので、講習の授業として受講いただく必要はございません」って話をすることもあります。

その生徒にとって必要な科目・必要な内容は何か、それを夏期講習で補い、きちんとした成果を上げるためにはどういったサポートが必要か、その中で授業として組み込む時間数はどの程度必要か、その結果として講習費はいくらになるのか、といった流れで検討し、皆様に提案をしております。

講習費の平均は、学年にもよりますが1人あたり3~4万円ってところでしょうか。

講習の授業よりも、教室での自習促進に力を入れている状況ですね。

そしてその自習を円滑に進め、効果を上げるために授業を実施する、そういうスタンスで捉えています。



これをお読みの皆さんの中で、夏期講習の授業だけではなく、本人の学習をトータルでサポートしてくれる塾はないかとお探しの方がいらっしゃったら、是非一度プレストにお問い合わせください。

自学自習の時間を有効に組み込み、お子様に最適な夏の学習をプロデュースします。



個別指導学院プレストは埼玉県所沢市の個別指導塾です。

最寄り駅は狭山ヶ丘駅です。

お近くにお住まいで現在学習塾をお探しの方、ぜひ一度お越しください。

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