2019年09月02日

勉強することってなぜ必要?

こんにちは。塾長の平岡です。

ある方から指摘(?)を受けて、今後はブログの最初に名乗ることにしました。



さて、プレストでは今日から後期授業が開始となりました。

夏期講習中は私も生徒指導に大忙しでほとんど教務以外の仕事ができませんでしたが、これからは今後の教室のことを考える時間ができます。

さらに生徒たちに満足を与えられる教室にすべく頑張ろうと思っています。



今回は、以前にも書いたことがあるようなないような…って内容について語ろうと思います。

夏期講習に、他のブースで授業を受けているある生徒がこんなことを言っていました。

「こんなの勉強して将来何の役に立つの?」

これに対する答えって難しいんですよね。

これをお読みの保護者様の中にも「確かに難しい」と共感される方が多いのではないでしょうか。

我々は指導のプロです。こういった質問にもしっかりと向き合わないといけませんし、生徒が納得する答えを返さないといけません。

確かに勉強している内容には、ほとんどの方にとって将来の生活には直結しない内容も多いです。

例えば古文の係り結びの法則を知らなくても、ごく一部の方を除いて将来的に困ることはないでしょう。

理科の質量保存の法則を知らなくても、社会のサバナ気候の特徴を知らなくても生きる上で支障はありません。

でも勉強はしなくちゃならない。

そりゃ生徒にとっては疑問ですよね。

大人になってもこの質問には答えられない人が多い。

それは「確かにふり返ってみると結果的に必要ないものであった。この生徒の言うとおりだ。返す言葉がない」ではありません。

うん、決してそうではない。

今やっている勉強の科目であったり内容のみに焦点を当てるからそう感じるのです。



勉強をすることで養えるものには大きく分けて3つあります。



まず1つ目は『知識』です。

大人になったときに、さまざまな知識を有していると、視野も広がります。

ただ、知識ってずっと脳内に残るものではない。

忘れていくことも多いです。

しかも直接的には必要でないように見えることも多くあります。

だからさまざまな知識を身につけること自体は、勉強をする意味の中でも重要度は高くないと私は考えています。

生徒たちが「なぜこんなこと勉強しなくちゃいけないの?」と聞いてくるときには、この『知識』の面にしか目を向けていないのです。

それに答える我々も知識にのみ焦点を当てていたら「うーん、確かに君の言う通り、この単元は将来必要ないね」という答えになってしまいます。



2つ目は『知恵』です。

勉強していると、無意識のうちにさまざまな工夫をします。

以前に学習したことを思い出して使ってみる。

さっきやった問題の解法をあてはめてみる。

「これどうやって解くんだろう…。ちょっと待てよ、さっきのあの問題と同じようにしたら解けるんじゃないかな」

「あれ?答えが合わないな。なんでだろう。ちょっとやり方を変えてこの方法でもう一度解いてみるか」

こういうことって、勉強の中で日常的に考えたりやったりしていますよね。

こうやって正答を導き出すために「ああでもない、こうでもない」と考える、これこそが知恵のトレーニングになっているのです。

知恵のある人って、大人になっても仕事の面で業務処理が手際良かったり、先を見て動いたり、全体を見て今一番必要なことを考え行動に移したりと、いわゆる『使える人材』になります。

たくさんの引き出しを持っていて、その場面に応じて最適な引き出しを開けて最適なものを取り出せる人間と言ってもよいかもしれません。

社会に出て活躍できる人材になるためには、それまでの学生のうちに、この『知恵のトレーニング』を十分に積んでおく必要があります。

そして、知恵を最大限生かすためには、1つ目に書いた『知識』が豊富であるほうが工夫の幅も広がるのは言うまでもありません。

だから『知識』もまったく不要なものというわけではないのです。



勉強をすることで養えるもの、3つ目は『努力の姿勢』です。

誰だって楽なほうがいいに決まっています。

努力なしで幸せな生活が送れるのであればそりゃいいに決まっている。

でも「努力なんて必要ない」「努力しなくても幸せになれる」なんてこと、誰も言いません。

努力することがいかに大事かは、100人中100人が分かっていることでしょう。

もちろんこの『努力』というのは、教科学習に限ったことではありません。

運動部に入っている人は、試合で勝つため、あるいは記録を上げるために努力していることでしょう。

習い事をしている人も上達するために努力しますよね。

すべて努力がないとランクアップできないのです。

勉強は大変です。だからこそ自分を律する精神力をもって努力することが大切なのです。

大変なものを努力で克服する経験をすることこそ、人生において大きな糧となるのではないでしょうか。

世の中で成功している人の中で、努力なしに現在の地位を築いた人はいないでしょう。

幸せな人生を送っている人の中で、幸せを手にするため、またそれを維持するための努力をしていないという人はいないでしょう。

自らの人生を豊かにするために、厳しい環境下でも逃げることなく努力することは不可欠であり、社会に出る前段階のうちは、特に本業である学習面において努力することこそが自分の将来を輝かせるということを生徒たちにはわからせたいなと思っています。



私は個別指導学院プレストの塾長として教育の仕事をしています。

世にある学習塾の理念ってさまざまです。

私も以前は受験専門塾という性格の塾で仕事をしていました。

そこで仕事をしていると、教える側も習う側も受験がゴールという感覚を持ってしまうのです。

当時の私もそうでした。

名の知れた難関校に教え子を合格させることが最終目標でした。

しかし今は違います。

生徒の将来にとって『今、何をすべきか』を考え、それを提供していこうと思っています。

もちろん受験に向けても全力で取り組ませます。

しかしそこはゴールではありません。一つのハードルをクリアしただけに過ぎないのです。

高校受験を終えて卒塾した生徒が久しぶりに教室に顔を出してくれたとき、その生徒の成績が「なんでこんなに良くないの?」と思うことがあります。

「なぜ昨年の努力を忘れちゃうんだろう」「なぜ自分でできないのなら高校進学後も継続して通塾しないのだろう」と残念な気持ちになります。

人生にはいくつものハードルがあります。それに向けて最後まで努力を続けないといけません。

プレストに通う生徒たちには、その姿勢が身につくようにしてあげたいと思っています。



私は、このような思いで生徒指導をしています。

だから冒頭の「こんなの勉強して将来何の役に立つの?」という質問に対しても、「受験で必要だから」とかではなく、こういった答えを言い聞かせるようにしています。

もちろんこれから大人へ向かって歩みを進める生徒たちですから「そうか!なるほど!」という実感のこもった理解には至らないでしょう。

でもいつか振り返ってみて「あの時の先生の言葉、今ならよくわかるなぁー」「頑張ってきてよかったなぁー」と感じてもらえればと思い、話しています。




posted by 塾長 at 16:28| Comment(0) | コラム | 更新情報をチェックする

2017年01月15日

「いい先生」って?

冬期講習が終わり、わが教室でも3学期の通常授業に戻りました。

今年の冬期講習は例年にも増して大変でした。

日によっては朝から授業を担当し、空き時間なしのノンストップで最後の時間まで、計12コマ授業。

授業をしながら隙を見て自習生のケア。

そうやって授業&生徒対応をしていると、「先生、今日空いてる時間ないですか?わからないところを教えてほしいんですけど」と。

「うーん、最後の最後まで授業が入ってるから、それが終わってからならいいよ。ただ時間的には遅いからそんなに時間は取れないけどね」

ってことで、授業終了後にフォローしてあげる約束。

で、結果、そのフォローもまるまる1コマ分やったりして、気が付けば夜の10時半。

12時間ノンストップで生徒対応してたことになるな。

それで終わりならまだいい。

そこから室長としての仕事が始まる。

大急ぎで片付けても4時間ほど。

教室を出るのは夜中の2時~3時。

で、次の日も朝から授業。

こんな感じの冬期講習でした。



今だから言うけど、講習期間中、「あっ、これダメだわ。体力的に持たないわ」って思ったこともありました。

でもそれも謎の気力(?)でクリア。

生徒たちに迷惑をかけることなく、無事勤め上げることができました。



で、講習が終わり、ようやく暇にな・・・るわけありません。

確かに講習時に比べると体力的に楽。

でも受験シーズンだもん、のんびり仕事していては生徒たちに申し訳ない。

できる限り生徒のために時間を使ってあげないと。

とは言っても授業や自習のフォローなんかで生徒たちと関われる時間はやっぱり限りがある。

もっとケアしてあげたいし、もっと力になってあげたい。

だからみんなが帰って一人になった教室で、生徒がやってきた問題を添削してあげたり。

そんな毎日です。



まあ実際もっと自分の仕事の時間がほしいなと思うことは多い。

教務以外で、教室の運営にかかわる仕事をする時間を取りたい。

じっくり考える時間もほしいし、来年度の準備もある。

でもね、目の前に受験を控えた生徒たちがいるんだよ。

その生徒たちの要望に対して「仕事が忙しいから」なんて断ることは無理。うん、絶対に無理。

だって塾で働いている人間の最優先の仕事は「生徒の面倒を見ること」でしょ。



今日、授業をしようとブースに行ったら、生徒たちがこんなメッセージを用意してくれてました。

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「先生最近忙しそうだから」って。

だから応援メッセージなんだな。

生徒たちって我々講師のこと、ほんとよく見てるよね。

生徒に気遣ってもらえるなんて、めっちゃ幸せです。

みんなー、ありがとー!

これからも先生は謎のテンションで頑張るよー!

受験に向けて全力でサポートするよー!



ところで、生徒たちにとって「いい先生」ってどんな先生だろう。

教え方がうまい先生?

確かにそれもあるといえばあるだろう。

ノリが良くって楽しい先生?

うん、それもないことはないな。

でも一番は「自分のことを本気で応援してくれる先生」じゃないかな。

口先だけで「気にかけてるよ」「応援してるよ」なんて言うだけじゃなく、姿勢や行動で本当に応援してくれているのが伝わる先生。

自分たちが「先生に負けないようにもっと頑張らねば」って感じるほど、自分たちのために全力で頑張ってくれているのが分かる先生。

同時に自分の思いや感情をしっかり受け止めて共感してくれる先生。

つまり「自分のために一生懸命になってくれ、自分のことをわかってくれる先生」って感じかな。

もう僕も長年塾の仕事をしてきているけど、ずーっとこういう先生になるのが理想。

昔も今も。もちろんこれからも。

この理想ってゴールがないんだよ。

どこまで行っても「まだまだもっと生徒のためにできることがある」って思っちゃう。

だから仕事を引退するまで何一つ変わらずこのままの気持ち・このままの姿勢でいるんだろうな。

「理想の先生になれた!」なんて日は来ないんだろう。

でもそれだから楽しいんだよ。

それだからやりがいがあるんだよ。



こないだ、嫁にこんなことを言われた。

「生徒たちの話をしてる時って、ほんと楽しそうだよねー」って。

毎日の業務は大変なことも多い。もちろんストレスを感じることもある。

でも生徒たちのことが本当に好きなんだよなー。

それを実感させられたわ。



これからもかわいい生徒たちの力になれるよう、全力を尽くすのみだなー!




posted by 塾長 at 01:01| Comment(1) | コラム | 更新情報をチェックする

2014年06月24日

保護者面談 その2

前回に続き、保護者面談について述べてみたいと思います。

今回は、塾側からの夏期講習の提案についてです。

前回の最後にも書きましたが、個別指導塾の場合、夏期講習は科目・時間など自由に選択できるオーダーメイドの場合が多いと思います。

そういう塾の場合、塾のほうから『夏期講習はこういう形で受講してください』といった提案があり、それをベースにご家庭でも相談し、申込をされる形であろうと思います。

その『塾側からの提案』について今回は書きます。



まず、私の過去の体験からお話しします。

以前勤務していた塾で「夏期講習についてお聞きしたいのですが」と電話がありました。

そこで日時の約束をし、教室に来てもらいお話しをしました。

その中でこんな話が出てきました。

「実は今、すぐそばのA塾(個別)に通わせているんですが、夏期講習の料金を聞いてびっくりしたもので返事を待ってもらって、他の塾はどうなんだろうかと思ってこちらに問い合わせさせていただいたんです」

A塾は巡回型指導の塾、当時の私の管理教室は1対2型指導。

普段の月謝はA塾のほうが2000円ほど安い。

でも夏期講習の説明を聞くために保護者面談に参加したら、そこで提示された講習費は20万円。

講習だけボッタ○リ価格って訳じゃないですよ。

それだけの時間数、授業を入れたいってことらしいです。

「それだけの料金ってことは毎日何時間も授業が詰め込まれるほどのコマ数じゃないですか?」と聞くと、「そうなんです。夏休み中ほとんどが授業です」と。

「ウチの子の出来もよくないし、受験学年の夏休みだし、やっぱり追いつこうと思ったらそれぐらいはかかるのかなとも思うのですが、さすがにすんなり払える額でもないので他の塾で一度話を聞いてみようと思ったんです…」とのこと。

このような経験、された方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。

私自身、教室の責任者として、この経験は実は何度もあります。

普段は一般的な月謝なのに、講習になるとすごくお金がかかる。

多少の出費は覚悟していたけれど、予想とかけ離れた金額だった。

そういう話は時々聞きます。

私自身の考えから申し上げますと、それだけの時間数受講する必要はない、と断言できます。

それだけの授業時間数はむしろ成績向上を阻害する要因にもなりかねないとすら感じます。

まあ塾側としたらなるべく時間数がほしいのは事実です。

特に成績不振の受験生などは『この夏で何とかしなければ』との思いにもなり、指導する上でどれくらいの時間数が必要かを考えると、それくらいになることもないわけではありません。

しかしこれは『指導するのに必要な時間数』であり、『成績を上げるのに必要な時間数』ではありません。

その提案は塾側の都合のみであって、生徒自身の学習量として適切かと言えば、間違いなくNOです。

私は夏休みのような長期休暇の成績向上のポイントは3つあると考えています。

『充実した指導』『生徒本人の高いモチベーション』『十分な自学自習の時間』の3つです。

例えば勉強が苦手で成績面でも苦労している生徒に、「追いつくためにこれだけ指導時間を取りたい」という理由で毎日朝から晩まで授業を入れたらどうなるでしょう。

1つ目の『充実した指導』は満たされるかもしれません。

2つ目の『生徒本人の高いモチベーション』はまず望めませんね。

3つ目の『十分な自学自習の時間』にいたっては、物理的に無理になります。

個別指導塾においては、授業が分かりやすいだけでは成果は上がりません。

その授業の効果をいかに自学自習に反映させるかこそが大事です。

授業で理解する→分かる喜びを感じることで自分でやってみようという気にさせる→自学自習に取り組ませ、そのサポートをする→それを通してできたという喜びを持たせる。

この流れこそが大事なのです。

だから私は受験生の夏期講習の提案時には必ず『自習時間』を設けた提案をします。

一日の塾での学習時間を、『授業→自習→授業→自習』という風にセッティングし、提案します。

自習時間は前の授業時間で習ったことを繰り返し学習できるように、授業を担当した講師が学習内容等の指示をします。

ですから自習といってもやるべきことは明確で、さっき習って理解できているところなので、自分で進めることができるわけです。

もちろん授業として取れるコマ数は減りますから、授業で扱う単元数や範囲は減らさざるを得ません。

優先順位を考え、「この生徒にはこの分野とこの分野の授業を復習させるべきだ」という検討を加えた上で提案をします。

でも授業を立て続けに入れるより、これのほうが効果的なんです。

『授業→自習→授業→自習』という予定を立てた場合、授業として生徒と接するのは2コマです。

でも実質は4コマの学習時間になり、その4コマ分の対応が必要になります。

自習は完全無料ですから、授業料としていただくのは2コマ分です。

教室の売り上げという観点から見ると、あまり得策ではありませんね(笑)

でも生徒は教室の売り上げを上げるための道具じゃありません。

生徒の成績を上げることで授業料をいただき、それで運営できているわけです。

はじめに売上ありきで、そのためにそれぞれの生徒にどれだけ受講してもらおうかと考えるのは、本末転倒も甚だしいと言えます。



プレストでは昨日から保護者面談を開始しています。

それぞれの保護者様に夏期講習の提案もさせていただいております。

「普段の受講科目である英語と数学はしっかりと進めることができていますので、講習の授業として受講いただく必要はございません」って話をすることもあります。

その生徒にとって必要な科目・必要な内容は何か、それを夏期講習で補い、きちんとした成果を上げるためにはどういったサポートが必要か、その中で授業として組み込む時間数はどの程度必要か、その結果として講習費はいくらになるのか、といった流れで検討し、皆様に提案をしております。

講習費の平均は、学年にもよりますが1人あたり3~4万円ってところでしょうか。

講習の授業よりも、教室での自習促進に力を入れている状況ですね。

そしてその自習を円滑に進め、効果を上げるために授業を実施する、そういうスタンスで捉えています。



これをお読みの皆さんの中で、夏期講習の授業だけではなく、本人の学習をトータルでサポートしてくれる塾はないかとお探しの方がいらっしゃったら、是非一度プレストにお問い合わせください。

自学自習の時間を有効に組み込み、お子様に最適な夏の学習をプロデュースします。



個別指導学院プレストは埼玉県所沢市の個別指導塾です。

最寄り駅は狭山ヶ丘駅です。

お近くにお住まいで現在学習塾をお探しの方、ぜひ一度お越しください。

プレストのホームページはこちら




posted by 塾長 at 20:30| Comment(0) | コラム | 更新情報をチェックする