今回はより具体的に、説明会での質問例なども挙げながら引き続き述べさせていただきたいと思います。
前回分をお読みでない方は、まずそちらをお読みいただいた上で、今回分をお読みいただければと思います。
塾の説明会は『教室責任者をテストする場』であると昨日書きました。
大事なお子さんを預け、毎月月謝を支払うわけですから、安心して任せられる塾・信頼できる責任者でなければならないのは当然のことです。
また、お金を支払って受け取るのは目に見える商品ではなく『教育』というサービスですから、入塾後どれだけしっかりと指導してもらえるか、生徒自身や保護者のニーズをどれだけ受け止め、満たすよう継続的な努力をしてもらえるかを入塾前に見極めなくてはなりません。
そのためにも100%納得してから入塾すべきですし、前回よりお話ししていますのは、そのためのひとつの具体的方法論であるとお考えいただきたいと思います。
では、早速『説明会で教室責任者をテストする質問例』を挙げていきましょう。
~教室責任者の熱意をテストする質問例~
例 『先生の指導上のポリシーや信念を教えてください』
指導や教室運営に情熱を持っていると、当然生徒たちに対し何を与えていきたいか、教室をどのような存在にしたいかをいう考えがはっきりとします。
複数の教室を抱えるグループ塾や法人にはグループ全体としての理念が明言化されていますが、ここではそれではなく、教室責任者個人・この教室独自の方針を聞いてみましょう。
実は私も長年学習塾において責任者として保護者の方々と接してきましたが、不思議とこういう質問はほとんど受けないのです。
本当に信念を持って教室運営をしている責任者なら、この質問が来れば自分の思いをしっかり話すことができるので「待ってました!」と嬉しくなります。
逆に普段あまりそういうことを考えずに運営している責任者だと、言葉に詰まったり、言葉を捜すような反応になるのではないかと思います。
もちろん中には口達者な責任者もいるでしょう。普段の方針とは関係なくさらさらと話すかもしれません。
しかしそのような場合は抽象的かつ一般的な言葉が多くなり、言葉に重みがなくなりますので見抜くことは出来るのではないでしょうか。
気になった部分には、「子どもたちの自主性を尊重するというのは具体的にどういうことですか?」などという形でさらに深く確認の質問をしてみればいいと思います。
例 『○○な指導をしてくれる塾を探しているのですが、こちらではどのように指導していただけますか』
これは家庭のニーズを伝え、それに対してどのように対応してもらえるのかを確認する質問です。
あくまでニーズに対して返ってくる具体的な指導内容・指導方針を確認してください。
それに対して納得できるか、安心して任せられそうかを判断してください。
決して「○○を希望しますが、していただけますか」「大丈夫です、お任せください」といったYes・Noで答えられる質問にならないようにしましょう。
私の経験ですが、以前こんなことがありました。
ある中学受験を検討中の新小6生のお母さんとの面談の場でのことです。
「○○中学に行かせたいんですが合格させてもらえますか?」
それに対し、私はこう答えました。
「どんな子でも、あるいはどこを受験しようとも100%合格と言うのはありえません。合格させてもらえるかという質問に対してのお約束は出来ませんが、それを目標とされている以上、こちらも精一杯サポートさせていただくことはお約束します」
それに対して、そのお母さんから返ってきた反応はこうでした。
「○○塾では合格を約束してくださいましたけど、こちらでは約束してもらえないんですか?」
ちなみにその時点でその生徒の成績は合格圏にはかなり足りない成績でした。
また当然それまでの取り組みがどのようなものであったかを確認し、本人の性格等を見極めないと、これからどれだけ伸ばすことができるかも未知数です。
私はそのようなことをお話しし、「本当に信頼していただける塾でありたいと思うからこそ、安易なお約束は出来ませんし、お約束した以上は一切手抜きすることなくご満足いただける指導をさせていただくつもりです」とお伝えしました。
結局、その生徒は私の塾に入塾し、志望していた中学に無事合格しました。
Yes・Noで答えられるような安易な口約束では、その後満足できる指導や結果を得られない危険性があります。
ニーズに対する具体的な指導方針や指導内容を確認するようにしましょう。
~教室責任者の経験をテストする質問例~
例 『うちの子は○○で本当に困っています。先生は経験上同じようなお子さんを何度も見てこられたと思いますが、どのように指導されましたか?またそのお子さんはどうなりましたか?』
これは勉強面に限らず、性格面や行動面など何でもいいと思います。
当然のことですが指導の場での経験が長いほど様々な生徒と接することになります。
積極的な子もいれば消極的な子もいますし、几帳面な子もいればルーズな子もいます。
中学生くらいですと時期的に反抗期にさしかかりますから一筋縄ではいかない子もいるでしょう。
いじめ等学校での悩み、不登校などの心理面から来る悩みなど、お子さんのことで本当に悩んでいることなども話してみましょう。
経験が豊富な責任者であれば、同じようなお子さんを預かった経験もあるかも知れません。
その経験からいろいろなアドバイスがもらえるでしょう。
また、過去に同じようなお子さんを預かった経験がなくとも、どれだけ親身になって相談に乗ってくれるかで、入塾後の指導がどれだけ手厚いかが多少は見えると思います。
例 『うちの子が「どうして勉強しなくちゃいけないの?」って聞くんですが、返答に困ってしまいます。先生はどのように答えられているのか教えてください』
「どうして勉強しなくちゃならないの?」
これは答えにくい質問の代表格です。以前にもこのブログで書いていますね。
お子さんをお持ちの方はきっと一度は聞かれたことがあるでしょう。
そしてしっかりとした答えができなかった方が多いのではないでしょうか。
「それが学生・生徒の仕事だから」では説得力がありませんし、「努力する姿勢が将来役に立つから」という答えも間違いではないでしょうが、それでは勉強でなくともよいということにもなってしまいます。
結果、「つべこべ言わないで勉強しなさい!」といった対応になってしまい、お子さんにとっては『なぜ必要かがわからないことを無理強いされている』というような感覚になることでしょう。
この質問はもちろん塾で働く人間は必ず出会う質問です。ましてや教室責任者ともなると、もう何度も何度も聞かれているはずです。
またこの質問に対する答えはどれが正しくどれが間違っているということはありません。
答える人によってその答えは違うものになります。
だからこそ、それを生徒に聞かれたときに塾の先生がどのように答えているかは非常に大切だと思います。
勉強を教える立場にある人間が教わる側に「なぜそれが必要か」と聞かれて納得させるだけの答えができないようでは話になりません。
生徒たちにどのような意識で勉強に取り組ませるかという『指導の大前提』にも関わる質問ですから、教室の指導方針も見抜くことができるでしょう。
しかし実際はこの質問は塾の人間でもあいまいにしか答えられない場合が多いのです。
教室責任者の答えをお母さん自身が生徒になった気持ちで聞き、「なるほど」と思えば、その責任者はしっかりと生徒のこと・指導のことを考えているということにもなるでしょう。
いかがでしたでしょうか。
現在塾探しをされている方は、上記のような点をひとつの判断材料とし、お子さんにとって最高の学習塾を見つけることができることを願っております。
狭山ヶ丘の周辺の方は、できましたらその選択肢の中に個別指導学院プレストも入れていただきますようお願いします(笑)